伝えたいのは
- 7月12日
- 読了時間: 2分
「なぁ、ライド」
「ん?どうしたんだ?」
ボロボロになったスタジアムを改装すべく、瓦礫や倒れた木々を退かしていたホムラは、隣で同じように倒れた看板を抱え上げたライドに声を掛けた。
「…その、さ。今更かもしれないけど…俺は知らない世界に迷った時にお前に助けられたし、スタジアムの問題もお前含めた救助隊に助けられたし……そして、こうして今もお前達が助けてくれるおかげで片付けがスムーズに進んでるんだ」
「?おう、そりゃあオレ達は救助隊だからな!困ってるポケモンがいたら助ける…それがオレ達の成すべきことだぞ!」
「……うん、知ってるよ。沢山目の前で見てきたから」
ホムラは救助隊の元で世話になっていた時、彼らの任務に同行することもあった。ホムラは選手として選ばれただけあり戦闘能力は高かったが、「誰かを助ける」という点では全く経験が無かった。
助けるというのは、とても難しい。
相手が望んでいるか否か、正しい結果を招くか否か…様々な判断の上で"救助"を行わねば、最悪の場合は自体を悪化させることもある。
「…だから、お前達には感謝してるし同時に尊敬もしてる。お前達は俺の戦闘能力を褒めてくれるけど、強さっていうのは何も力だけじゃないだろ?」
「そうだけど…いきなりどうしたんだ?」
首を傾げる異国の救世主に向けて、ライドは穏やかに微笑んだ。
「お前達の持つ"正しい強さ"をエオス島でも………いや、エオス島だけじゃない。試合を通して、俺達の世界に伝えていきたいと思っただけさ」
試合で伝えたいのは、楽しさだけじゃない。