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EP 0-0

「―――――――――――――――」

ぽつりと呟かれた言葉は意図も簡単に歪み、砕かれ、空しくも荒れ果てた地面へと落ちていく。

真っ赤で真っ青な異空間にはかつて使い果たし傷付いた剣達が無数に散乱し、それは視界のどこまでも続いた。

ごうごうとたつ土埃は倒れて動かない白い彼女と黒い彼を隠していく。

「――■――■□――□――■―」

そんな異様な光景を静かに見下ろす。

禍々しくもどこか懐かしさを感じさせるその剣を出血した手で強く握り締め、そうして再び刃を向けた。

白い彼女は問いに答えない。

黒い彼は問いに答えない。

「―れ――な―か■――■?――」

その声は誰にも届くはずのない問いだった。

しかし長い年月を渡りふと、わずかに声が届き始めていることに気付く。

この世界に疑問を抱き始めていることに気付く。

やがて眠っているかのように安らかな表情でいる白い彼女は、自身の身体を貫いた光の杖を手放した。

するりと小さな手から零れ落ち、光の杖は砕け散る。

光の粒を眺めながら、真っ赤で真っ青な空を見上げながら、密かに唇を噛み締める。

「これで何回■した?」

存在を失った白い彼女は答えない。

幾つもの「世界」が突き刺さった黒い彼は答えない。

例え白い彼女が黒くなろうとも

例え黒い彼が同じ表情で睨み上げようとも

楔は未だに外れない

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