しっぽ取りゲーム
- 7月12日
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「フロウさん……………その、そんなに俺のしっぽが好きですか?」
「………………」
柔らかな菫色の髪が、リグのしっぽをサラサラと撫でる。みずタイプのしっぽはひんやりと冷たい。この少年は、冷たくて弾力性のあるこのしっぽがどうやらお気に召したようで、すりすりと頬擦りをしてはじゃれていた。
「ボス、南部の拠点の件ですが──────…………お取り込み中でしたか、それはそれは。失礼いたしました〜」
「ちょ、ちょっと!何も言ってないじゃないですか!」
リグより背丈の大きな大人達も、この場所ファウストではリグより低い立場にある。何せ、彼らは"ファウスト"であるリグに仕える役目を持つのだから。
どうやら、建設予定の拠点について要件があったらしい。しかし急ぎじゃないのだろうか、背を向ける部下を追おうと立ち上がったリグは、
「痛っ!?ちょ、フロウさん!痛いですって!ねぇ!」
「…………………んぐんぐ……」
「齧らないで!!!」
弱点に走った痺れる痛みに悲鳴をあげた。
助けを求めるように手を伸ばすリグに、「懐かれてますね〜」と残した男は、残酷にも手を振り扉を閉めた。
「………ふふん」
「なに勝ち誇った顔をしてるんですかお前は!しっぽ取りゲームじゃないんですからね…全く……」
「りぐのしっぽ」
「なに?」
少年は懐から何かを取り出すと、リグのしっぽにせっせと巻き付け始める。
「……………できた」
「な、なんですかコレ…」
「………おはな」
紫色の花を纏った蔓が、オーナメントのようにリグのしっぽに巻かれていた。どこで手に入れたんだ、こんなもの。リグは内心ツッコミながらも、満足気に不器用そうな笑顔を浮かべる少年を否定する気にはなれなかった。
「フロウさんと同じ色のお花ですね」
「おなじ……」
「同じです。紫色」
自分の色で縛り付けるなんてやるじゃないですか。
きっと彼に他意は無いので、そう思ったのは、リグ自身の望みでもあるのだろうか。
「それでボス、先程の件ですが…………おや!しっぽが素敵なことになってますね!」
「う、うるさい!!!」
Fin.
