🌐🎹 ※胸糞表現有
- reisetu
- 2024年11月3日
- 読了時間: 5分
治安の悪い町中の隅で虚しく響き渡る少女の泣き声。
少女「ぐすっ、ふえ…」
🌐🎹「あらま。こんなところ一人でうろついてたら危ないぜ?」
少女「ひっ」
🌐🎹「服も泥だらけじゃないか。どうしたんだ?」
少女「え、えっと、ロコがいなくなっちゃって、ひっく」
🌐🎹「飼い犬かなんかか?夜になる前に探そうか」
少女はコクリと頷き差し伸ばされた🌐🎹の手を取り共に飼い犬を探す。
少女「……あの」
🌐🎹「んー?」
少女「あなたは…おにいちゃん?おねえちゃん?」
🌐🎹「さあ。きみの望むままの姿さ」
少女「??……あ!」
ワンと元気よく鳴く子犬の声。少女は駆け寄り抱きしめる。
少女「ロコ、ロコ…!よかったあ…!」
🌐🎹「怪我も無いみたいだな。良かったじゃないか」
少女「うん、ありがとう!」
じゃれ合っている少女らを見守る途中で🌐🎹が気配に気付き静かに声を掛ける。
🌐🎹「ここから真っ直ぐ行ったところでさっきの場所に戻る。行けるか?」
少女「?う、うん」
🌐🎹「良い子だ。後ろを振り返ってはいけないよ」
少女を見送り静まり返った人気のない細道からワラワラとガラの悪い大人達が現れる。
男1「おい、余計な事すんなよ。」
🌐🎹「はてなんのことやら」
男1「ふざけやがって。…まあいい。おい!逃げれねえようにまずは足を狙えよ」
男2「へへ…中々良い面してんじゃねえか。せっかくだし商品にする前に少し遊んでいこうぜ」
男3「はあ?お前趣味悪いな…こんな仮面野郎のどこが良いんだよ?てか仮面で面なんて見えねえぞ」
男2「は?仮面?てめえこそ何言ってんだ、スタイル見たらどうみても女だろうが」
男1「ハア…!?てめえの目は節穴か??いくら長身男でも女はねえって!」
🌐🎹(あーー。相変わらず初対面はカオスだな)
※🌐🎹は自由解釈存在の為見る人によって全ての存在や対象が変わる。
揉めながらも🌐🎹を囲い手を伸ばしてくる男達を眺めながら小さくため息を漏らす。
🌐🎹(でも今回はちょっとヤバイかも)
🌐🎹「………っ!」
男2「顔は傷付けるなよ」
男1「だから仮面で見えねえって」
しばらく暴力を振られ吐血しフラフラになる🌐🎹の横髪を男が引っ張り無理矢理顔をあげさせる。両足はナイフで傷付けられ上手く立てない。
男3「コイツ抵抗も何もしないしつまんねえな」
男2「好都合じゃねえか」
男1「やっぱ趣味わりーわお前。よかったなあ相手してもらえて」
🌐🎹「……………くく、」
男1「うわ、笑ってやがる」
男がまた一つ顔を殴り地面へ叩きつけられる。
その時。
少女「ーーーーおにいちゃん!」
🌐🎹「!」
少女「負けないでおにいちゃん!!」
背後で聞こえたのはワンワン!子犬の鳴き声と見送ったはずの少女が震える足で立っていた。
男1「なんだ、さっきのガキじゃねえか」
男3「悪い子だねえ〜あのまま家に帰ってりゃよかったのによ」
ワンワンと吠え続ける子犬。
男2「チッ…うるせえな。今いいトコなんだ、邪魔すんなよ」
男3「負けないでおにいちゃん〜〜!だってさ。ボコボコにされちゃったお兄さんの顔でも見ていくかい?仮面で見えねえけど」
少女「お、おにいちゃんは、負けないもん」
男1「はは!まだ言ってら!」
少女「おにいちゃんは『強い』の!私を助けてくれた『ヒーロー』なんだから…!」
男3「じゃあそんなヒーローの無様な姿でも晒し上げましょうね〜」
少女「きゃ、は、はなして…!」
笑いながら少女の腕を掴み子犬の相手をする男と、もう一人の男が🌐🎹の上着に手をかけ脱がそうとする。
🌐🎹「……、」
男2「さあて、楽しませてもらおうか」
🌐🎹「…むしろヒーローはお嬢さんなんだよなあ」
男2「あ?ーーーーーーーぎゃ」
ガコンと男がゴミの溜まり場へ吹っ飛ばされる。そうして地べたを這いながら起き上がり青ざめた様子で🌐🎹を見る。
男2「な、な、なんだ、おまえ、さっきの女は、」
男1「おい、何急にビビってんだよ!」
男3「ぎゃあ!!」
少女「え…?」
今度は少女の腕を掴んでいた男が悲鳴を上げ尻餅をつく。
男1「どうした!?お前まで…」
男3「め…目が、目が沢山、こ…こっちを見て、ひいいい!」
男1「目!?アイツは仮面野郎だぞ、目なんて見えねえだろうが!」
男3「知らねえよお!アイツが突然真っ黒になって、体中に目が、ば、っ化け物…!!」
男1「何を訳のわからん事を……っておい!何処行くんだよ…!」
一人の男が逃げ出す。
🌐🎹「で、今のお前は俺が何に見えてるんだ?」
男2「ひいいっ、しゃ、しゃべっ……うあああああ」
🌐🎹「おっと」
拳銃を取り出し🌐🎹に向かって連発するが当たらず。
男1「何処向けて撃ってんだ、足を狙え足を!」
男2「た、弾がもう無…っ、ーーー、ーーーーーー」
何かを叫びながら男は倒れる。
🌐🎹は着崩れたのをそのままにその場から立ち上がり男を見下ろす。
🌐🎹「ありゃ。気絶しちまった。聞く限り恐怖の対象が強かったみたいだが一体何のトラウマだったんだろうねえ…」
男1「おい!アイツらに何しやがった…!?」
🌐🎹「特には何も。…なあ、今のお前は俺が何に見える?」
男1「知るかよ!!」
男が🌐🎹の顔面めがけて拳を突き出そうと近くまで走ってくる。しかし何度殴ろうとしてもひらひらとかわされてしまう。
男1(なんだ…!?コイツさっきまでと全然動きが違うじゃねえか…!)
ナイフを振りかざすも容易に受け止められそのまま投げ飛ばされる。負けじと体当たりするが真っ向から足撃を食らいその場で腹を抱えながら蹲る。
男1「があああ…!ぐ、う、」
🌐🎹「じゃあ俺はもう帰るよ。お嬢さん、怪我はないかい?」
少女「う、うん」
男1「こ…の……調子に乗るんじゃねえぞ、ぶっ殺してやる…!!」
少女「!おにいちゃん危ない…!」
ガッと男が仮面を掴み剥がそうとする。そうしてナイフを握り直し
男1「そのふざけた面を最後に拝めてやーーーー」
ぶつん。
『男の意識上では仮面はいとも簡単に外れた。仮面の下は、こちらを見る瞳は、表情は、視線は、熱は、重力は、意識は、精神は、』
ぶつん。ぶつん。
男1「あ……が……」
『男は白目を剥いて泡を吹きながら叫ぶ。叫ぶ。何かを叫ぶ。意識が混濁する。』
男1「▓▓▓▓▓▓▓ああああああああ▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓ああああああああ▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓」
―――――――――――――――――✄
少女「……?この人達、どうしたの…?」
ブツブツと何かを呟きながら倒れ込む男の様子を眺めながら『一度も触れられていない』仮面の下で目を細め、後に背中を向け少女の手を引いた。
🌐🎹「さあな。…さて、お家に帰ろうか。きみの家族が心配してるはずさ」
少女「うん!」
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