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ミスティア/太陽は沈みまた昇る

  • 4月7日
  • 読了時間: 2分

「おい、聞いているのか……って…寝てるな…まったく、まだ序盤だぞ?」


太陽についてどれほど面白いものなのか興味を示したミスティオに対し夕どきの時間になるまで淡々と話していたティアラは彼が眠っている事に気付き、少々残念そうに止める。


地面に出来た影の上に座り込み瞳を閉じているミスティオの様子を隣で眺めながらふと、考える。


(太陽の話をしたのはいつぶりだったか)


そう。太陽の概念に関しては持ち合わせてはいるものの専門用語等を知っているのは人間がいたからだ。もうこの世界で生きていた人間は絶滅してしまったが、今でも賑わい文明を広げ渡り歩いた彼らの姿を思い浮かべる事が出来る。


それだけに権力争いが発端とし自ら道を閉ざしてしまったのは大変残念に思う。


「こんなところで無謀に寝るとはゴーストタイプが泣くぞ。…ゲンガーってそういうものなのか?」


いつぞやの捻くれた元人間のゲンガーを思い浮かべつつ勉学という催眠に掛かりすよすよと眠るミスティオの柔らかな髪に触れると僅かに身動いだ為、思わず笑みが溢れる。


"これから先ポケモンはもっと世界に広がり、新たな生命を生み、歴史に残していくだろう"


昔よくティアラの隣で話していた人間の言葉だ。ティアラはこの言葉を胸にポケモンという生命の最期まで見届ける事を誓っている。

ミスティオはその中での小さな出会いだ。いずれ別れの時も来るのだろう。

しかしその小さな出会いもまた、ティアラの歴史に刻まれる大切な時間なのだ。


「もうそろそろ日が完全に沈む。起きろ」

「ふがっ…………終わったのカ」

「ああ。満足だ」


杖で軽くミスティオの耳辺りをつつけば寝惚けて慌てて起きる彼の様子に笑って答えた。

 

 
 

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