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 04 

和音和音和音。

それは誰もが愛し、誰もが求め。

雑音雑音雑音。
それは誰もが持ち、誰もが聞く。


響音響音響音。
それは誰もが弾き、誰もが捧げ。

 

 


俺は王だった。
この世界に闇が存在するのならば、この世界に光が存在している。
俺は世界をまとめ光を捧げる王だった。生まれた時点で決められた王の座は、どんなに拒もうと、どんなに否定しようと決められた位置を変える事は出来ない世界だった。
最初から決められたメロディー<人生>で。最後まで決められる不況和音<自由>。なんてつまらない世界なんだろう。
俺は、この世界が嫌いだった。

そんな中、この世界が好きな奴がいた。そいつは俺の弟だった。
決められたメロディー<人生>で、決められた不況和音<自由>で、この世界の者達と笑い会う事が出来る弟だった。つまらない世界だと思うものの、弟がそれで幸せならば良いと感じていた。

だからどんなに王という束縛が苦しくても、どんなに王という座だけで一部の者達から痛めつけられようと、俺はそれで、よかった。

俺がメロディーを奪われていくほど、弟は皆に愛された。俺が不協和音から逃れられなくなるほど、弟は微笑んで見せた。
やがて俺は、何も聞こえない真っ暗な部屋に閉じ込められた。

何も何も何も何もきこえない。
何も何も何も何もふれられない。
何も何も何も何もみることもできない。
俺のメロディーも、俺の不協<不況>和音も、俺の音楽も、俺の、響音<命>も、なにもなかったことに。
人は、王の俺から離れていった。それでも俺は扉の外に出る事は出来なかった。それが俺の決められたメロディー<人生>だったから。

そのメロディーがやがて、雑音に変わっていく事も知らずに。


『弟がそれで幸せならば良いと感じていた』
何故弟ではなく俺が選ばれたのか。

『弟がそれで幸せならば良いと感じていた』
何故弟ではなく俺が閉じ込められたのか。

『オトウトガソレデシアワセナラバイイトカンジテイタ』





「光の世界が真っ赤に染まるなんて、ありえへん世界やなあ」

俺は死神の手によって闇に突き落とされた。
もう白い翼も、もう王の座も、もう微笑んでいた弟も、
もう、いない。

この世界に光が存在するのならば、この世界に闇が存在している。
俺はこの世界の旅人となった。メロディー<人生>を求める者へ、不況和音<自由>を拒む者へ響音<命>を与える為に。
それは決められたものか?
いや、違う。これは俺自身の、欲望を手にしてしまった俺の、もう二度と同じ過ちを犯さない為の、
一生の、罰だ。

まずは死神の火 <シモベ> に立つ化猫の呪いを癒しに

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