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うちよそ語り/ミカエレ

ミカエレの夢を見た話。映画並の内容の濃さ。


ユンシャフ、ミカエレでそれぞれを旅立ち始めた頃の話らしい。海賊(この頃はまだ盗賊?)ユンくんと吸血鬼シャフもそうだがミカエレの二人も世間で言うと中々珍しい存在らしく、ある事無い事噂され追われるのも少なくなかった…という設定から始まる。狼男と吸血鬼ハーフが一緒にいる事も珍しいと言えるのかもしれない?


二人はなるべく人混みを避け、一般市民から身を隠しながら過ごす。しかしどうしても都合の悪い噂が目立ち、堂々と街中を歩けない状況が続いていた。


場面変わって夜二人が食料倉庫に逃げ隠れていた時。たまたま三名ほどの一般人が入り込んでくる。辺りが暗い為見つかってはいないがすぐ近くで話している状態で、エレンがどうしようと焦る。しかしミカドさんは動揺する事も無くエレンを前から隠すようにして抱きしめ息を潜めた。


まさかこの体制で過ごす気じゃと見上げるとこの緊張感を楽しむミカドさんと目が合う。夜行性なのか僅かに興奮気味。いつもよりも目が輝いているミカドさんに心臓バクバクしながら火照る顔を落ち着かせじっと人が去るのを待つ。

だが去り際にエレンと人の目が合い、男同士で抱きしめ合っている姿を軽蔑するような視線を送られる。今まで気にしていなかったエレンはその視線に精神的ダメージを受ける。一般人は特に二人を突き止める様子も無く、ひそひそと話しながらその場を去ろうとした。エレンにはそれが耐え切れず口を挟もうとするが、やや強引にミカドさんに止められる。

エレンは正体がばれるよりも軽蔑された事に酷く傷付き、ミカドさんは軽蔑は気にせず正体がばれる事を断固として避けようとしたように見えた。


同性を好きになる事は一般的に受け入られ難い事を知り、エレンは自分はおかしいのだろうかと悲しむ。ミカドさんは世間の目を気にする必要は無いと話し、エレンの気持ちを改めて聞く。静かに見つめる彼の問いにエレンはミカドさんを好きな気持ちに嘘偽りは無いと打ち解け、より二人の関係が深まる。




場面変わって油断したエレンが複数人の賞金稼ぎに捕まる。話を聞くと二人はあれから賞金首対象として噂が広がり、特に身体能力が高いミカドさんがあらゆる方向から狙われていた事を知る。(ユンシャフも対象に入っているらしい)ミカドさんはこの事を警戒し正体が知れ渡るのを避けていた。

人質にされたエレンは必死に抵抗するが能力が低い為無力に終わる。それどころか賞金首対象になっているにも関わらずオークション(人身売買)に掛ければさらに稼げるかもしれないと誰かが提案し始め、エレンは恐怖する。


大きな破壊音と共にミカドさんが姿を現す。複数人が立ち向かうが歯が立たず、ついにエレンの命を掛けられ彼の動きを封じる。逃げてとミカドさんへ訴え願うが彼は迷わず助けようと前に出て睨み上げる。

ミカドさんが複数人に囲まれる。銃を向けられ無数の銃弾が彼目掛けて放たれエレンが悲鳴を上げる。ミカドさんは致命傷には至らなかったが手足を負傷し片膝を突く。ミカドさんへ目線が集中しているのに隙をついたエレンは己の力を振り絞り人質から抜け出す。若い賞金稼ぎの一人が捕まえようと手を伸ばすが、「どうしてこんな事をするんだ。俺達はただ、穏やかに過ごしたかっただけなのに」とエレンの涙に僅かに躊躇いが生まれ、そのまま見送る。止めるよう泣きながらミカドさんの元へ駆け寄り、蹲る彼を抱きしめ庇う。

再度銃口が向けられたその時。シャフの奇跡の唄が聞こえ、銃弾が全て弾かれる。辺りが混乱している間に二人は唄が聞こえる方角へ逃げる。その唄は二人が人気の無い坂道まで逃げ切れた頃には消え、ミカドさんが負った傷も癒えていた。

すっかり夜が明け朝日が二人を照らす。エレンは旅立つ前にシャフが祝福の歌を唄ってくれていた事を思い出す。


後日何故か賞金首の貼り出しや噂が揉み消され、堂々と人前を歩けるようになる。二人は涙しながら喜び、これからどんな場所に行きたい、こんな事がしたい、様々な事を笑顔で話し合う。やがて二人の姿が遠くなり、空を見上げエンドロール。


エンドロールではパンを配って回るエレンと穏やかな表情で見守るミカドさんの姿。

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