クロネコ
"ああ、そっか。わたしが描き続けているのは"
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シロネコが交通事故により力尽きかけていたところを魔女ラビナに条件付きで助けられる。二人は人の形をとりクロネコは”描く”能力を授かった。条件は白い世界にある楽園を守る門番になる事。描く能力は白い世界で誕生する生命らを集める為の能力。
クロネコとシロネコは二人の世界しか見えないし聞こえないので主であるラビナ以外の存在を確認する事は出来ない。又二人の会話や姿も確認出来るのはラビナのみである。
クロネコは描く場所を失うとラビナとの唯一の繋がりが消える事を恐れ落ち着きが無くなり狂ってしまう。シロネコに絵を消されると怒るが心情は何となく察している為、感謝はしている。
シロネコ
"クロネコの世界を奪った魔女が嫌い"
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魔女ラビナから救出されたシロネコは”消す”能力を授かり楽園の門番役となる。
消す能力は白い世界で誕生した生命らを地上へ送り届ける為の能力。 クロネコが恩人のラビナの為に描き続け役目を果たしている事を理解はしているが性格上無理をさせてしまう為嫌いなようだ。
ラビナ
「おいらは魔女だ。きみに愛される資格も意味も無いさ」
性別 女性
年齢 見た目15歳
身長 144cm
一人称 おいら
二人称 呼び捨て
三人称 きみ
能力 全ての対象を最悪にする
属性 月、闇、夜
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表向きは賢者を名乗りふらりふらりと旅をする月の加護を受けし者。実際は魔力の燃料である「心の宝石」を喰らう暴食の魔女。
知的で温厚な上に小柄である為か人々からは少女として好かれがちで癒しの存在。だが彼女は世界にとって様々な史上最悪に成り代わっている事が原因で魔法使いなど一部の者達からは避けられている。
「おいらもきみに興味が湧いたところだ。空腹を凌げるまでの間精々愉しませてもらおうか」
「ブラボー!次の物語は随分とまた、愉快で甘美だな?」
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魔女ラビナは七つの大罪の素質を持つ者の一人「暴食」。さらに楽園の管理人である歴代魔女三女神の二番手。
彼女は一度地上で生命を終える予定だったのを覆しあらゆる手で食い繋いだリスクにより普段は生命の感情から生み出される「心の宝石」を喰らう事で魔力を補充し存在を維持している。
本来心の宝石は膨大な魔力を対象に与えなければ生み出す事は極めて難しい。彼女はそんな貴重な宝石を喰らい世界に存在する生命らから膨大な魔力を奪ってきた。ある日枯渇し研究施設で倒れていたラビナを当時まだ少年だった科学者ロルフッテが保護。その後彼が心の宝石の研究に興味を持った為手を貸す。
欠心 兎奉(かごころ らびな)は誰からも好かれる人間だった。家族も友人も環境も何一つ欠けてはいなかった。そう信じていた。
中学受験生の時期に彼女は難病に掛かりのちに両親や医師から実は病弱児で余命があると明かされる。兎奉が入院中親は隠してきた借金で頭を抱え友人の菫以外誰も訪れなかった。
兎奉は誰からも好かれる人間だったが誰からも愛されない人間だった。
やがて彼女は生命の終わりを迎える事を恐怖し楽園を求める。楽園は兎奉を管理人として歓迎し魔女ラビナへと変えた。
ラビナは己の存在が欠ける事を拒絶し感情全て「心の宝石」にして喰らい続ける。歴代魔女と化した彼女は世界にとっての絶望であり、災害であり、史上最悪の存在である。
ロルフッテ
「科学者の時点で自分の運命なんざ決まったようなもんだろ」
性別 男性
年齢 見た目28歳
身長 187cm
一人称 俺
二人称 呼び捨て
三人称 お前、てめえ
能力 なし
属性 地
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世界から評価される実力を持つ天才科学者。
幼少期からファースト地方の研究員として活動していたある日施設の庭で倒れていた魔女ラビナと出会い、以降興味本位で生命の感情から生み出される魔力の燃料である「心の宝石」の研究を始める。
目的の為ならばどんな研究内容にも臆さず実績を叩き出し手段を問わないマッドサイエンティスト。しかし歴史的進化を遂げない世界からの称賛に対してどこか冷めている面があり、評価されている分性格の悪さが目立つ。
「ラビナは俺のものだ。忘れろ、どうせてめえは地獄に堕ちる」
「待て。行くな。…愛してる。愛しているんだ、ラビナ」
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数年後被検対象となった四人「悲しみ」のシャフ、「怒り」のスミレ、「憎しみ」のルミ、「楽しみ」のエレンの宝石を取り除く事に成功するが魔女ラビナの存在自体を維持する方法が宝石を暴食する他に見出す事が出来ず苦悩する。
この時既に彼のラビナへ向ける感情は興味対象では物足りないほどに育ちきっていた。
さらに年月が経ちロルフッテは最後の試みとして自らを被検対象とし「微笑み」の宝石を取り除き、その宝石で生命を誕生させることに成功する。世界初の成功作であり名をスウロと名付けた。
最初育児は乗り気では無かったが無限に心の宝石を生み出せる可能性を持っている事から大切に育てた。そうして育て上げたスウロをラビナに渡し研究施設から消息を絶ち、彼は伝説の一人として歴史に刻まれた。
一人目の被検体シャフの実験失敗時にシャフの命を繋ぐ為最古の吸血鬼の血を飲ませている。顔の傷は吸血鬼シャフの暴走時に受けたもの。彼もシャフに殺されそうになった為吸血鬼の血を啜って生き長らえている。
彼は人外としての永遠を彷徨うことになる事をシャフの痛みと同じように受けることで責任を果たそうとしているのかもしれない。
シャフ(少年の姿)
「おれのせいだ。おれが、自由を願ってしまったから」
性別 男性
年齢 見た目7歳
身長 123cm
一人称 おれ
二人称 呼び捨て
三人称 あなた
能力 希望と絶望の奇跡を起こす唄声
属性 音、闇、光
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「希望」と「絶望」の奇跡を起こす唄声を持つ少年。
心の宝石「悲しみ」の第一被検者。実験は失敗に終わり騒動後吸血鬼化。
ルニーシャ森の最奥にある薔薇園に囲まれた大きな屋敷に住む。オペラを中心とした有名な音楽家系であり人間の頃は父の方針で幼少期から奇跡の唄声を世界中へ披露し続けていた。
とても臆病で人見知り。人を寄せ付けないような態度で接し、屋敷で身を潜めている。
「おれは吸血鬼なのに、あなたは怖くないの?……嘘だ、」
「人間がこんな所に来るな。…出て行って、……おれのこと、見えなくなるまで遠くまで…」
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16歳の誕生日に科学者ロルフッテが初の心の宝石の実験を試みるが溢れ出る奇跡の力に魅了された父が途中で無理矢理奇跡の力を引き剥がそうとする。それにより衰弱したシャフの救済方法をロルフッテが魔女ラビナに頼み、最古の吸血鬼の血を受け取り飲ませた。ハーフ吸血鬼誕生の日である。
命を繋いだ代わりにシャフは血の暴走を止められずロルフッテとラビナ以外の屋敷にいた者達を虐殺。恐怖に怯えた少年は喉が渇くのを抑えながら屋敷に一人閉じこもり、最古のリスクである不老不死の身体で何百年の長い年月を過ごす事となる。
屋敷に吸血鬼がいると噂が世界に広がり終えた頃。ついに少年は精神の崩壊が訪れ無意識に救済を求め唄い始める。
唄はまたたく間に少年の願望を形取り、「希望」と「絶望」に姿が誕生する奇跡を起こす。自由と解放を求め容易に生みだしてしまったその奇跡<生命>にシャフは後悔し、一部の苦しい記憶を取り除いた状態で「希望」と「絶望」をそれぞれ違う外へと送り出す。自分とは全く違う人生を歩んでゆけるよう願いながら。
本人は再び一人心を閉ざし屋敷の中で身を潜め死を待つ。隠れられる&外への影響が出ないよう魔法で小さな少年の姿になって過ごしている。
屋敷は長い期間魔力を抑える魔法と溶け込みシャフの精神と一体化している為彼の意識が外に向かない限り通常誰にも探し出せない。
外へと送り出された「希望」や「絶望」が住む屋敷も一見構造は全く一緒だが部屋が一つ多い。その部屋はシャフがいる屋敷内と繋がっている。
シャフ(希望の姿)
「寄るな。俺に関わるな」
性別 男性
年齢 見た目16歳
身長 156cm
一人称 俺
二人称 呼び捨て
三人称 お前、てめえ
能力 希望の奇跡を起こす唄声
属性 音、闇、炎
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シャフの唄で誕生した「希望」の姿。彼の唄は希望を起こす。
人間が嫌いで馴れ合いも嫌いな一匹狼のハーフ吸血鬼。攻撃と速度に特化している反面妙なところで隙が目立ちがち。
武器は蝙蝠達が集結して形取る。様々な分野を使いこなすが特に大鎌や弓矢の矢(槍)が得意。他は吸血鬼特有の爪撃や魔法強化による足撃など。
調子が上がると「YOU」<ユー>と語尾に口癖が出る。
「このまま本当に何も願わず死ぬつもりか?……お前は、『死にたくない』とは願わないのか」
「うるせえ、YOU。それ以上騒ぐなら蝙蝠の餌なってくたばりな」
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シャフに一部記憶を取り除かれている。地上に送り出された時点で自由の身だが希望姿のシャフの性格上人間不信により屋敷の中で静かに過ごしていた。さらに最古の吸血鬼の影響が強い上に普段から血液を摂取しない為日に日に喉の渇きが酷くなる一方だった。
吸血鬼がいる噂を嗅ぎつけた賞金稼ぎに度々屋敷を荒らされ返り討ちにしていたところ、恐怖で誤解したルニーシャ森の近くのカカラム村の村人達に生贄を捧げる代わりに怒りを沈めてほしいと頼み込まれる。もとより彼は人を襲うつもりも無かったが静かに過ごせる事を望み承諾。以降生贄が訪れる度わざと脅し逃がすを繰り返していた。
そうして月日が流れ生贄に選ばれたファフと出会ったのがきっかけで外の世界へと歩み始める。
青い十字架のネックレスはファフが所持する赤い十字架のネックレスをコピー&改良したもので普段は自身の魔力をそこに貯めて力による暴走を阻止している。
シャフ(絶望の姿)
「あなたたちのきたいには、こたえられない…」
性別 男性
年齢 見た目16歳
身長 150cm
一人称 おれ
二人称 ひらがな呼び
三人称 あなた
能力 絶望の奇跡を起こす唄声
属性 音、光、水
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シャフの唄で誕生した「絶望」の姿。彼の唄は絶望を起こす。
人間を酷く怖がり常に自身を責めるような言動が目立つハーフ吸血鬼。なにかとすぐに謝る傾向がある。
守護と治療に特化していて辺りで泳ぐ魚達や海獣を囲い相手から守ったり吹き飛ばしたりして攻撃を防ぐ。武器は使用しない。
治療魔法は離れていても使用出来るが対象の傷口に触れた方が回復効果が早い。
「ご、ごめんなさ、い…」
「おれはぜつぼうだから…このうたも、このおもいも、せかいにとってぜつぼうにしかならないから、」
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シャフに一部記憶を取り除かれている。希望姿のシャフと同様地上に送り出されるが絶望姿のシャフが恐怖する精神の影響を受け屋敷が地上ではなく海底へと沈む。彼は水魔法で屋敷を泡で包み込み過ごせる環境を作ることで孤独を選び身を潜めていた。だが最古の吸血鬼の影響が強く普段から血液も接種しない為喉の渇きが薄まる事は無かった。
数年後地上で屋敷の外へと歩み出た希望姿のシャフとファフが海底に眠る屋敷の存在を知り、彼に会いシャフの元へ共に帰るよう説得する。最初は心を閉ざし断っていたがファフ達と接していく内やがて勇気を振り絞り奇跡のための一歩を踏み始める。
吸血鬼の力の暴走の阻止は自身へ光属性の加護を付ける事でなんとか抑えている。
シャフ(奇跡の姿)
「きみといると色んな世界が見れるね」
性別 男性
年齢 見た目16歳
身長 160cm
一人称 俺
二人称 呼び捨て
三人称 きみ
能力 希望と絶望の奇跡を起こす唄声
属性 音、光、闇、水、炎
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神様達が唯一手出しが不可能な奇跡の唄の持ち主。
元は世界の神である統治者が最初に生み出した能力で人々の均衡を保つために地上へ落としたものだった。行く末を見守った結果たまたま神の能力を持つ器として適正だったシャフが奇跡を担う事になる。
彼の唄で誕生した希望姿のシャフと絶望姿のシャフがファフ、エレンと協力しながら屋敷の何処かにある部屋を探し出し本来のシャフと再会。二人の奇跡は己の未来のために本当の自分の存在を許し、本当の自分の幸せを願い、一人死を待つ本人へ手を差し伸べ続けた。その覚悟に揺さぶられ自身が生み出した唄の奇跡を真実として手をとり、長年の呪縛を振り切り外の世界に出る。
ここでようやく一人の少年シャフの物語が開幕したのである。
希望と絶望を手に取り強く生きることを選択したその後は船で海を渡りながら世界を巡り、人々へ奇跡の唄を紡ぎ世界平和の為の旅を続けている。
彼は海賊になったそうだが性格や立ち回りからして周りからあまり海賊には見られていないとのこと。もちろん本人もあまりよく分かってはいないようだが困っている人々を助けて回っている。
蝙蝠の翼は希望姿や絶望姿の時と違って天使の羽のように真っ白。通常はあまり翼を見せたがらないようで移動時は魔法で宙に浮く。能力値のバランスが高いため吸血鬼の力の暴走は以前より制御出来るようになっているが完全に支配出来る代物でもない様子。
ルミ
「しゃあしか。俺に仲間は必要ない」
性別 女性
年齢 見た目14歳
身長 149cm
一人称 俺
二人称 呼び捨て
三人称 おまえ
能力 傷を癒す
属性 光、風
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エルフ族が住まうベトラット村で生まれ育ったハイエルフの少女。一部の族長達に過剰な復讐心を持つ。
心の宝石「憎しみ」の被検者。武器はワイヤーを括り付けた複数のナイフとダガーで風魔法を駆使しながら素早く対象を切り裂く。暗殺業の為普段は打撃重視で行動しているが本来は回復術が得意であり、ト音記号とヘ音記号の髪飾りは長杖に変化する。
やや方言(福岡弁)が混ざる時がある。無愛想で思ったことは包み隠さず話す。力がある者達に隙を与えない事が目的で男性のような態度で接している。
「殺す。裏切り者のおまえも、族長も一人残らず」
「なんジロジロ見ようと。…別に気にしてなか」
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彼女はエルフの中でも少数派のハイエルフであり、民から素質があると賞賛され期待に応える為幼少期から鍛錬の日々を送っていた。後にエルフ族の族長を候補し村の守り役になる。
しかし幼き頃から友だった狼族の族長アルビヴェと同盟を組んだ数日後、彼の手によって村が全焼。彼女は仇であるアルビヴェを殺害した以降復讐心に駆られ長を名乗る一部の者達の暗殺を決意する。
アルビヴェの死に際に呪術に掛かったルミは我を見失うと彼の亡霊に身体を乗っ取られ一時的にアルビヴェの精神が表に現れる。アルビヴェが表に出た時は髪色と瞳の色が彼そっくりになる。彼女はその間記憶が無い。
福岡弁が混ざるのは族長になりたての頃から時々訪れていた科学者ロルフッテから今より柔らかい言葉遣いを学ぶよう勧められたからである。本や文献を渡される度に嫌な顔をしていたが彼女も気にはしていたようで最終的に方言が身に付いている。
アルビヴェ
「あら、嘘つき狼だなんて勿体ないお言葉。…ねえ?」
性別 男性
年齢 見た目16歳
身長 180cm
一人称 あたし
二人称 呼び捨て
三人称 アンタ
能力 呪いをかける
属性 呪、炎
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狼族が住まうサテウィル村で生まれ育った生き残り。ベトラット村を全焼した事により復讐で我を見失ったルミに殺害される。主に精神の破壊や操作系、毒を含む呪術を得意とする後衛タイプだが腕力も持ち合わせている為拳による戦闘も可能。じわじわといたぶるのが好みらしい。
少々気が強めのオネエ口調で話す。歳の割に知的で自立心がある代わりにプライドが高く基本的に誰も信用せず男女共に毛嫌う。同じ族長の立場のルミとは幼馴染みのレベルで付き合いが長くよくちょっかいを掛けに行っていた仲のようである。
「このあたしがわざわざ同盟まで組んでやったのよ。追放だなんて許せない」
「アンタが族長?頭でもいかれたのかしら」
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残りの狼族は村の占領を図った族長達に殺された為エルフ族がいるベトラット村へ逃げ込んできた。そこでは差別が酷く他の一族からも狼という理由で距離を置かれていたが、幼少期からルミだけは彼を拒まず幼馴染みとして接していた。
ルミが族長に選ばれ祝福を受けている頃にアルビヴェも追うようにして族長まで上り詰め、同盟を組む。だが狼というレッテルを他一族達から貼られ続けた結果破棄になり追放される。
アルビヴェが怒りを抑えられなかった原因はそれだけではない。まだ二人が族長になりたての頃被検体探しに科学者ロルフッテと魔女ラビナが定期的に村に訪れていた。
ある日ルミの実績を妬んだ一部のエルフ達が本人には明かさず被験対象として彼女を売買していた事を知る。彼が最も村に対し激怒した理由であり、エルフ族もろとも村を全焼させた根源である。
ルミはその真実を知らず彼をはじめ族長達へ復讐をし続けている。呪術によりルミの精神の中で辛うじて生きているアルビヴェは彼女へ真実を話す意思は持ち合わせておらず、嘘つき狼を貫き通す。
のちにルミが爆発させた憎しみの感情から心の宝石を誕生させ取り除かれている事を知り、ロルフッテやラビナへ密かな怒りを持ち合わせている。
ファフ
「あなたも一人ならボクと…同じ…ね」
性別 女性
年齢 15歳
身長 150cm
一人称 ボク
二人称 ~さん、呼び捨て
三人称 あなた
能力 なし
属性 なし
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吸血鬼がいると噂のルニーシャ森の近くにあるカカラム村に住む少女。
賞金稼ぎに屋敷を荒らされた事による怒りを沈めてもらおうと満月の夜の度に村人達は吸血鬼へ生贄を捧げていた。やがてファフも生贄に選ばれ希望姿のシャフと出会う。
表情が乏しく常に顔色を窺うような態度で接し自信もなさげだが比較的穏やかな性格の持ち主。洞察力もあり時には物事を素直に言うことも。
「どうして…?ボクは何の為に此処に、残されたの」
「これで最後だなんて…思わないで。希望も絶望も奇跡も、みんなボクらが知っているシャフだから…」
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魔力を貯められる赤い十字架のネックレスに希望姿のシャフの魔力が注ぎ込まれている為その魔力を借りて戦う。弓矢による射撃や鈴の音が鳴る杖で回復魔法を使用出来るが使えるのは希望姿のシャフが味方にいる時のみ。
ファフの両親も彼女の幼少期に生贄に選ばれ村を出て行き、希望姿のシャフに見逃されている。元々そんなに愛想も無いため村人達からも良く思われていなかった。
生贄に選ばれ屋敷まで連れて行かれたファフは希望姿のシャフから望みを問われるが、両親を失い村人達からの愛情も与えられなかった彼女の願いは何も無かった。生きることを諦めている彼女へ何を想ったのか希望姿のシャフはファフへ事情を話し、生きる事を破棄するのなら一度人生を捨て共に外に出る事を希望姿のシャフ自身から要求。
一からの人生を与えられ、必要とされた事にファフは心が揺さぶられ承諾。こうして二人は外に出て様々な世界を知る。
希望姿と絶望姿のシャフが本当の自分の元へ帰り「奇跡」として降臨した後は互いに別行動を取り外の世界で見てきた景色を彼女なりに受け止めファースト地方にある街で強く生きる。
赤い十字架のネックレスはまだ両親がいた頃に一度カカラム村に訪れた科学者ロルフッテに手渡されたもの。彼はシャフと容姿が似たファフの事を本来普通に人生を歩み人間として命を終えるはずだったシャフの生まれ変わりではないかと考えている。
エレン
「生き抜くことが出来ればなんとかなるさ!」
性別 男性
年齢 見た目19歳
身長 170cm
一人称 俺
二人称 呼び捨て
三人称 きみ
能力 なし
属性 なし
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吸血鬼の母と人間の父から誕生したハーフ低級吸血鬼。心の宝石「楽しみ」の被検者。
吸血鬼よりも人間の受け継ぎが強く戦う力や能力もほぼ持ち合わせていない。喉の乾きもほぼ無いとのこと。
とても明るく物事を楽観的に考えどんなに過酷な環境でもどうにかして生き抜く根気強さがある。料理が好きで特にパン料理が得意。彼が作るメロンパンは格別である。
「うんうん、きみもよく頑張ったんだなあ。俺は凄いと思うぞ」
「笑う門には福来るってな!美味しい物食べてみんな笑ってくれればそれでいいのさ」
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貧しい環境の中育ったのち自立の為親元から離れファースト地方のとある街の宿屋で料理も兼ねて労働していた。しかし数年後心の宝石の被検体探しの為に科学者ロルフッテと魔女ラビナの誘導により外部から別の低級吸血鬼達が住民達を襲い一部の人が吸血鬼化。
彼は吸血鬼の血を受け継いでいるので幸いにも幾分か助かる。が、非力な為吸血鬼の住処となった街から逃げる事は叶わずその場の空気に溶け込みやり過ごす。途中ロルフッテやラビナとも遭遇していてこの絶望的な状況下でなんとかなる精神で行動する彼の感情から生み出された心の宝石が二人により取り除かれている。
いよいよ身の危険を感じ始めた頃、希望姿のシャフとファフが街を訪れ共に脱出する事に成功。しばらく行動を共にしていたがシャフが海賊になる頃には別行動を取り、吸血鬼が消滅し平和になった街へ戻って復旧の手伝いをしている。
スミレ
「ラビナはあんたの『モノ』じゃない」
性別 女性
年齢 見た目15歳
身長 168cm
一人称 私
二人称 呼び捨て
三人称 あんた、君
能力 全ての秩序を正す輪
属性 剣、殺、光、風
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人界の秩序を守る元人間の女戦士。
心の宝石「怒り」の被検者。神々が均衡保持の為に各世界へ残した心況玉の一つ「剣」の心況玉を管理し人界を見届ける神様、堕天使セリアの下に従う。
武器は二つのフープで光輝く輪の形をした複数の剣撃を作り出す。輪に当たると対象のルールを覆し抑制する操作能力を持ち、強制的にスミレの言う正義としての指示に従う事になる。他にも細身の剣が扱える。運動神経抜群。
正義感が強く自分にも相手にも厳しい性格の持ち主だが、打ち解けると仲間思いで情に厚い事が分かる。
「魔女ラビナの行為は許されない。かつての友人だったとしても、私は裁く」
「セリア様に救われたこの命…最後まで使わせてください」
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人間の頃。猫宮 菫(ねこみや すみれ)は幼少期から人一倍正義感が強いのに加え常に平等を意識する為一人を好んだ。
そんな彼女だったが中学入学時に欠心 兎奉(かごころ らびな)と出会う。誰からも好かれ周りに人が集まる兎奉の魅力に視点が180度変わる。二人は親友関係となりたまに学校へ訪れる黒猫と白猫の面倒をみながら日々を過ごしていた。
兎奉がこの世を去った数日後白猫が事故にあいそうなところを庇うが精神的に疲労していた彼女は被害を受けそのまま命を落とす。
死神の神赦 説実(じんしゃ せつみ)に魂を回収される直後様子を見ていた堕天使セリアに説得され彼女の補佐になり忠誠を誓う。
セリアに会う前に科学者ロルフッテにも遭遇している。ロルフッテは魔女ラビナと近しい関係のスミレを妬み嫌がらせをしていたようで、その時から仲が悪い様子。執着心の強いロルフッテに対し彼女の感情から生み出された心の宝石は本人に知らされないまま取り除かれている。
のちに神々が世界の均衡を脅かすラビナの魔女狩りが決定する。命じられた彼女は様々な方法で行方を追っている。
スウロ
「ぼくで宜しければいつでもご一緒しますのです」
性別 男性
年齢 見た目23歳
身長 188cm
一人称 ぼく
二人称 ~さん、くん
三人称 あなた
能力 人の心を動かす
属性 星、光、雷
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ファースト地方の研究施設から誕生した羊の黒魔法使い。雷の加護を受けし者。
心の宝石「微笑み」の被検者。彼が科学者ロルフッテにとって最後の研究対象である。
魔力の込められた宝石杖を使用し星属性の中級魔法を主力とする。詠唱時間を与えられた時など条件が合う場合は上級魔法も使用可能。
とても温厚かつ優しく人の心を揺り動かし誰もを笑顔にさせる能力を持つ。外の世界に疎く新しいことを知る度に純粋に喜び、疑わず、平和を願い、微笑み続ける。
「笑顔にしに行くのです。ぼくはあなたがたのおかげで生まれた微笑みの宝石ですから」
「はいなのです。ぼくはこの世界の事がとっても好きなのです」
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ロルフッテは最後の試みとして自らを被検対象とし「微笑み」の宝石を取り除き、その宝石で生命を誕生させることに成功。世界初の成功作であり名をスウロと名付ける。
愛する魔女の存在維持の為に作り上げ、自ら心の宝石を作り出す上に人々の心を動かせる能力を持つ最高傑作。その存在はロルフッテにとって最後の希望であり魔女ラビナにとって最高級の餌だった。
はじめはロルフッテもラビナの存在を維持させる餌としてスウロを育てていたが時が経つほど情が芽生えるのと同時に最高級の餌を差し出したとしても魔女の存在を満足させる事は出来ないと知り、ここで研究の限界を知ってしまう。
スウロは研究施設から外へ出た事が無かった為生みの親であるロルフッテが居なくなった後も待ち続けていた。数日後しばらく様子を見ていたラビナと出会いロルフッテを探す協力を求め共に旅を始める。