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本編SECOND/ライルカ②Prologueライムサイド編


同時刻。


別世界の神々に変なあだ名を付けられていることなどつゆ知らず、この警察組織──────UNIONに所属する諜報員のレオン・クローヴィスは、ディスプレイに映し出される暗号を睨みつけていた。


これは相手方…「世界解放組織パンデモニウム」の中核に繋がる第二ロックである。文字と言うには少々不可解な羅列が表すのは暗号であり、それを解読した上で正しい番号を入力しなければ、あちら側が設置しているであろう不正アクセスのトラップに捕まる事すらありうる。


慎重にすべきだが、どうも頭が働かないので一旦休憩にしようかとディスプレイをスリープモードにして席を立ったその時。



コンコン、と軽いノックが静かな執務室に響く。


後輩

「クローヴィス先輩。お客人をお連れしました」


レオン

「………客人?」


ここは応接室でも無ければ、自分はどちらかと言えば裏方を務める諜報員である。他社との交渉や協定を結ぶ仕事を受け持つのは自分の上司であるはずだし、何より客が来るなんて話は聞いていない。

訝しみながらも、レオンはそっと扉を開く。


レオン

「私ではなくライムへのお客人では………おや、」


後輩の後ろに立つ存在を視界に入れたレオンは、初めて見たはずなのに感じる、既視感という名の違和感を抱く。レオンの反応から、彼らが上司の知人であることを察した後輩は、失一礼してその場をそそくさと立ち去った。



レオン

「…これはこれは。お客人。私に御用との事ですが………貴方、何処かでお相手しました?」





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