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本編FIRST/レオララ⑨対面編

  • 2025年9月13日
  • 読了時間: 5分

リアン

「ハア…」


深夜のテロ襲撃から避難した午前中。

ラララ…の変身魔術による姿リアンはなんとなく気になりあの爆撃で建物が損傷した飲食店に訪れ修復作業に手を貸していた。

はじめは被害にあった者達の様子を見る程度で済ませるつもりが店長に見つかり若者としてこき使われている最中だ。瓦礫が溜まった外庭をはわきながら小さなため息をつく。


リアン

(この世界も中々人使いが荒いナ……まあ給料は出るみたいですし……あんな状態のまま死なれたら居心地が悪いですからネ)


そんな言い訳を心の中で言い聞かせているとはつゆ知らず。一般から見たらか弱き好青年が修復作業を手伝っているようにしか見えないだろう。


はーい!感謝です〜!!!


一方その頃、昨日は成すべきことをし早々にUNIONに帰還していたレオンは、今朝もUNIONの命令により被害に遭った街の復興を手伝っていた。


見回りついでに、より破損の大きい方へと足を進める。ふと目に付いたのはヒビが入った飲食店の看板らしきもの。


レオン

(この店…前におじゃました事ありますが、まさかこんな所まで被害が及ぶとは。今回の襲撃は少々想定外でしたね)


そんなことを考えながら顔を上げると、見覚えのある姿が目に映る。


レオン

「……おや、貴方は」


リアン

(ゲ。何でコイツが此処に…)


遭遇率の多い事に内心げんなりしながらも表向きはリアンとしてパ、と明るめの声の調子で答え深々と頭を下げる。


リアン

「あ、警察さん!昨日はありがとうございました。警察さんも復旧作業のお手伝いに?」


レオン

「ええ、大方そんなところでしょうか。住民の皆様の生活を守るのが私達UNIONの責務ですから。事件を解決してそれより先を投げ出すような無責任な真似はいたしません」


どうやら彼もレオンのことを覚えていたらしい。彼とはテロが起きる少し前に出会い、エレベーターの待ち時間で会話をしたくらいだ。

そこから先の行方は知らなかったが、あのホテルにいたのだから当然、テロにも巻き込まれているだろう。


レオン

「ご無事そうで何よりです。貴方も…ええと、ボランティアか何かで?」


リアン

「ふふ、頼もしいです。UNIONの手を借りればこの辺りの復旧作業も早く終わるでしょうし助かります」


くすりと微笑みながら持っていた箒を持ち直し、瓦礫のくずや飛び散ったガラス等を集めようと再び周りをはわき始める。


リアン

「はい、深夜襲撃にあった時は救助隊さんのおかげで助かりました。クローヴィスさん…でしたっけ?貴方も無事で良かったです」


リアン

「ボランティアといいますか…実は私がバイトしていた場所はこの飲食店なんです。今は店長と一緒に片付け最中でして…」


レオン

「バイト…ですか?バイトの立場でも後片付けにも参加されているとは、随分と真面目な方なんですね。我々unionも貴方のその真摯な姿勢を見習わねば」


そんな他愛ない会話をしつつも辺りを見渡せば、昨日までの穏やかな空気が幻覚だと思えるほどにボロボロに崩れた建物が立ち並んでいる。


レオン

「にしても…まさかこのお店で働いていたとは。私、昔はよく此処にお邪魔していたんです。最近は忙しくて行けていませんでしたが…復興が終わったらささやかながら経営への援助の意味も込めてお邪魔しましょうか」


リアン

「ふふ、此処の店長にはお世話になっていますので。困ってる方を助けるのも片付けも、私でよければお安い御用です」


上品に微笑みながらもレオンくんと会話を続ける。外では崩れ落ちた建物をよそに瓦礫から取り出した木の枝を振り回しながら遊ぶ子ども達が走っている。


リアン

「え!そうなんですかっ?落ち着いたら是非来てやってくださいな、店長も喜びます。カインさんも先日同行した際に食べに行きたいとおっしゃっていましたよ」


店長

「リアンくん!そっちの状態はどうだ?……って、クローヴィスくんか!?久しいな!」


玄関から店長がひょこ、と顔を出しレオンくんの顔を見るなり目を丸くする。

此処の飲食店はフレンドリーさも売りの一つだ。店長は客人の名をよく覚えている。昔よくお邪魔していた、というのは本当らしい。


レオン

「おや、お久しぶりですオーナー。ご無事で良かった。…いえ、この状況で一概に"無事"と言うのは些か思慮不足でしたか」


奥から見知った顔が出てきたことにレオンは笑みを浮かべるが、瓦礫だらけの周囲を見渡し謝罪を述べる。

そんなレオンに対し、店長は気にしないでくれと首を振った。


店長

「にしても…君達。知り合いだったのか?」


レオン

「知り合い…という程の関係性ではありませんよ。昨日の騒動の前に少々お話する機会がありまして。無事が確認できたことを互いに喜びあっていたところです。そうですよね、リアンさん?」


リアン

「はい!今は別の場所に移動していますが、一時的にお忙しい中宿泊場所も提供していただき感謝しています」


店長

「兄が見つかるまで引き続き此処に泊まってくれても良かったのに。嫁は全治まで掛かるしバイト分きっちり働いてもらうつもりだったからな!」


リアン

「あ、あはは…別に逃げたりしませんよ?」


妻の無事を確認後すっかり元気を取り戻した店長は昨夜の事を話題にしつつ笑い飛ばす様子に苦笑いするリアン。


店長

「仕事が終わったらまた来なよ、クローヴィスくん。美味い酒用意しておくからな」



続く…

 
 
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