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レオララ軸アムリタ視点/正義と鉄槌

更新日:3月9日

うちよそ軸のアムリタから彼の正義を解釈しているので、よその子、うちよそ要素が出てきますがあまり気にしなくても読めます。

作者:ろころころさん

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──────平和とは、多くの死体の上に築き上げられた人々の願いである。




何の罪も犯していないのにも関わらず、家畜小屋に縛り付けられていた母は、まだ幼かった不死者にそう言った。



武力で平和を実現することは出来ない。何故なら、武力による説得は何処かしらに歪みがあり─────それが膨らみ大きくなった暁に、見せかけの平和は崩れ再び戦が起きるから。



しかし、だからと言って"平和的な解決方法"だけで人々は平和を築くことは出来ない。


なぜなら人間というのは実に愚かで、地獄を知らねば自分のいる場所が如何に天国であるかを実感することが出来ないからである。



人々というのは、更なる幸せを求め、戦を行い、地獄と化した世界を嘆き、平和を築き──────そしてまたその愚行を繰り返す。



彼の母はこの事を知っている、非常に聡明な女性であった。だからこの場所にいる愛すべき唯一の存在であった息子に、何も持っていない自分が与えられる唯一の愛の形としてその導きを示した。



「弱きを守る者は、助けを求めている人を助ける者は、その行いが知られればきっと英雄として称えられるでしょう。けれども、平和のためには悪の権化を断ち切らなければ、同じことの繰り返しになる」



母は言った。その身体には、無数の暴行の跡が痛々しく浮かんでいた。



「──────アムリタ。貴方には、その"永遠の平和の障害となる存在"を断ち切る存在になって欲しいの。血で汚れた英雄には、石も罵倒も飛んで来るかもしれないけれど。それでも、誰かがやらなければ、世界には見せかけの平和しか訪れない」



その息は既に薄く、その声は風でボロ小屋が軋む音で掻き消されるほどに小さかった。彼女は何度も死を望んでいた。それでも、生きていたのは奴らの遊戯であった。



「ごめんなさい…私の、願いを…貴方に託してしまうのは、重荷になってしまうかもしれない……けれども、どうか忘れないで………わたしの、いちばんのねがいは、あなたのいきるみらいのへいわ──────」





ガコン





少年は、母の首を斬り落とした。



















久しぶりに夢を見た。


なんとも、懐かしい夢であった。



「…………………」




戦う理由。それを問われることは、多々ある。


例えば救助隊であれば、要救助者を助け出すため。



アムリタ────ウェンはフレイムに匿って貰った礼として救助隊の活動に協力してきた。しかし、彼は本来こちら側に居て良い存在では無い。正しい行いをし、世界の英雄として持て囃される存在には、彼はなれないのだ。



何故なら、彼は死体であり、兵器であり、多くの人々咎人の命を奪った大罪人。


彼が救助隊の一員として力添えしているのは幼い自分を匿ってくれたフレイムへの恩返し、そして咎人を見つけ出す為の手段。



本来 、アムリタという大罪人は此処に居て良い存在では無く──────そして平和になった世界に存在してはならない存在である。



何故なら、彼には戦うことしか出来ない。


死ぬ事が出来ず、母の道標以外を信じることが出来ず、戦うことしか知らない青年は、



もはや悪を駆逐するだけの兵器と化していた。

 












「少し良いですか?ウェン─────いえ、アムリタ」


「………………」



氷のような瞳が、凍てつく視線を此方へと向けている。それはいつもの友人達へ向けるヘラヘラとした態度とは異なる、"敵"と見なしたものへと向ける鋭いものであった。


とはいえ、そんなもので怯むようならば不死者なぞやっていけない。大方、この間の文句でも言いにきたのだろう。



レオン・クローヴィス。つい先日、世界を滅ぼしそして復活させた男。滅亡と復活の詳細は省くが、とにかくこの男が気まぐれな神のような行いで世界を弄んだのは事実だ。


そして、彼には協力者となる人物がいた。別世界からの侵略者─────アムリタはそのように考えていたが、この男曰く"愛する人"だと言う。アムリタは世界を滅亡へ導いた張本人のレオンだけで無く侵略者もまとめて排除しようとしたが──────彼らはなんと、自分達ならば世界を復活させられるのだと。言いたいことは様々だが、根本部分は常に冷静なアムリタは、世界の復活に賭けて仕方なしに彼らを殺すことをその場では諦めた。まぁ何時でも殺せる為、その可能性を見届けから…という理由も勿論あるのだが。



さて、そんなアムリタの内情など知らずに、男は着いてこいと言わんばかりに、無愛想に背を向けて歩き出した。離れていく銀髪を、アムリタは渋々追った。話すことなど何も無いのだが。何せわかりきっている。守るために戦う彼は、殺すために戦うアムリタと異なる世界で生きている存在。故に、何処まで行っても平行線であり、そもそも戦う目的が違うのだから干渉する必要すらないと。


しかし、この男はそれでは納得がいかなかったらしい。それとも愛する恋人が危険に晒された文句か。何方にせよ、世界の滅びの引き金を引いたのは其方なのだから、それらの不満も必然であることは理解して欲しいものだが。



やがて、彼が足を止めたのは、救助隊本部のバルコニーであった。


足の下に広がる柔らかい人工芝に月明かりが差し込んでいる。窓に沿うようにベンチが並べられており、男はそこに腰を掛けると、アムリタにも隣に座るように訴える。




「──────貴方に、伝えておこうと思いまして」



勿体ぶるな、早くしろ。時間が無駄だ。と喉元まで出かかった言葉を寸前のところで呑み込む。これを発言すればろくな事にならない、というのはアムリタの経験談である。



「まず最初に。確かに私は世界を滅ぼしました。復活させる方法があり、それを実現させたとはいえ私個人の感情に世界を巻き込んだことは反省しているんです。……ですが一つだけ。悪いのは私です。彼は────ラララさんは、私に付き合ってくださっただけなので。確かに私に協力してくださった罪というのは問われるかもしれませんが、それは商人である彼を私が買収して」


「話が長い。簡潔にまとめろ」


「…………こ、この野郎…」



抑えていたものが出てしまったが、これは仕方ないだろう。何せこんな寒いところにこんな深夜に呼び出され、長々と話されたらたまったものでは無い。俺は早く帰って寝たい。アムリタは切実にそう思っていた。



「………はぁ…ほんっとに貴方はこう…趣というものが通じませんよね…」



ブツブツと文句を言いながらも、男は続ける。



「つまり……反省はしてます。全ての責任は私にあるので。裁きの覚悟は、出来ていますよ」



男は真っ直ぐに、アムリタの瞳を見る。


何やら覚悟を決めてきたようだが…………アムリタにはそれがなんの事かはよくわからなかった。



「……何故?」


「…はぁ?………あのねぇ、馬鹿なんですか?私は世界を滅ぼしました。貴方の大嫌いな咎人ですよ。だから裁くなら裁きなさいと言っているんです。その代わり、巻き込まれた彼には手を出すなと──」


「…?…お前は死にたいのか?」


「どう解釈したらそうなるんですか?」



会話が通じない…と悲壮な顔をされたが、それは此方の台詞だとアムリタは顔を顰めた。



「殺せと言ったのはお前だろう」


「こ、殺せとは言って無いでしょう!?私は、世界を滅ぼした罪への裁きを受けると言っただけで!」


「…裁き?そんなに裁かれたいのなら大好きな裁判所にでも提訴すれば良いだろう」


「はぁぁぁぁぁ!?!?な、何なんですか貴方は!貴方が滅びた世界で執拗に私とラララさんを殺そうとして来たから、貴方に言ってるんでしょう!?今更無関係面しないでいただけますか!?」



胸ぐらを掴まれた衝撃でぐえっ、とアムリタは声を上げる。物騒なのはやめて欲しい。戦うことしか出来ない自分が言えることでは無いが。



「無関係も何も、俺だって出来ることなら関わりたくは無かったが」


「関わりたく無かった?人の事散々殺そうとしておいてよくほざきますね…」


「悪事を働いたお前が悪い。ただし、俺は咎人を償わせるために殺しているわけではない。単純に、悪事という歴史を繰り返す諸悪の根源を断ち切っているだけだ。そもそも俺は咎人を責めることが出来るような人間では無い」


「……なら、尚更意味不明ですが。私が今後、同じような罪を繰り返さないという保証が何処に?…いえ、勿論しませんよ。ですが、貴方は証拠も保証も無しに後先考えず動くような浅はかな人間では無いでしょう。私を見逃すつもりだったというのなら、それなりの理由があるはずです」



それを、知りたいと。


男の瞳はそう物語っていた。


アムリタとしては、この理由は述べたくなかった。実に自分らしくない上に、恐らく母親の望んだ道とは外れた選択肢であるから。それでも、



「──────信じてみるべきだと、思った」


「……私が、今後同じ罪を繰り返さない、と?」


「所謂、身内贔屓という奴だ。証拠にしては確実性は無いが、お前は一度犯した過ちをもう一度犯すような愚人共とは違うと、俺がそう判断した」


「……そう、ですか………」



男が黙り込んだ。これでやっとこの寒くて暗い空間から帰れる、アムリタはそう思った。



「おい、気が済んだのなら俺は」


「……ウェン。信じてくれたこと、感謝します。それと貴方を巻き込み、貴方の手を煩わせたことには謝罪を。世界が元通りになったとはいえ、犯した罪は消えたわけではない。私はその罪を一生を持って償うつもりです。勿論、貴方に対しても」



すみませんでした、と頭を下げる彼のこういうところは、なんとも真面目だなと思う。アムリタとしては自分自身が迷惑を被ったという感情は無い。しかし、彼が今後世界のために生きるというのなら、それは彼の母が望む、永遠の世界平和への大きな貢献となるだろう。



「……俺に対して、と言うのなら一つだけ頼みを聞いて欲しい」


「なんですか?」


「もしも世界が平和を掴んだとしたら、その後の平和の歩みを、お前に託しても良いか?」



平和を───母の願いを願う兵器は、自分という存在が平和と共存出来ないことを、身をもって知っているのだ。



「何処に行く気で?」


「やらなければならないことがある。聞いてくれるな?」


「………ええ、わかりましたよ。約束ですからね」


「そうか。ありがとう」



立ち上がり、そそくさと自室への足を進める途中で、アムリタは足止める。


彼は友人であり、仲間でもあるのだ。それこそ孤児院時代からの長い付き合いで、様々な苦労を共に乗り越えた人間でもある。そして──────これを機に、大きな罪を抱えながらも"救助隊"として世界のために戦い続けるという共通点を持つ関係ともなった。それならば。



「クローヴィス。形はどうあれ、お前が幸せを掴めたようで何よりだよ。祝福しよう」



彼が思い悩んでいることは、全く気づいていないわけでは無かった。アムリタは人間関係の些細な問題に目を向けることはあまり得意では無かったが────それでも長年の付き合いの相手であれば多少は勘づく。とはいえ、自分にはそんな彼を救えるような言葉は思いつかないし、むしろ物事を悪化させた経験も多々あった。だから、何も言わないというのが彼にとっては最善の策だったのだ。


身近な存在ですら救えないのなら、救助隊とすら言えないと笑われても仕方がないと思う。だからこそ、そのような友人を救ってくれた異界の商人には、感謝しているのだ。



アムリタからの予想外の祝福に驚きを隠せなかったレオンだが、直ぐに笑みを浮かべる。


それは、何処か悲しさを含ませた穏やかな笑みであった。



「ええ、ありがとうございます。…その、貴方が何処へ行き何をするかを咎める権利は私にはありませんが……一つだけ。どうか、何処に行っても幸せでいてください。貴方にとっての今が幸せか否かはわかりませんが────貴方の幸せを願っている人は、貴方が幸せにならなければ幸せになれない人か、貴方の想像よりも多くいることを、どうか忘れないでください」




今度はアムリタが驚く番であった。


何せそれを聞いて思い出すのは──────母の言葉であったから。

 











「…………なぁんてこともありましたけどぉ!にゃっはっはっは!今は幸せですかぁうぇーんくぅん!」


「……お前の瞳から俺がそのように写っているのであれば、眼科に行くことを推奨する」



回らない呂律と頭で絡みついてくる銀髪を机に叩きつけると、アムリタは漸く開放された痺れかけている左腕をぶらぶらと振った。


あの時のしおらしい男は何処へやら、結局は酒を飲んではアムリタに絡みつき、しまいには愛しい恋人との惚気話まで一方的に投げつけてくる始末だ。何度本気で消してやろうかと思ったところか。アルバートに止められなければ既に三人位のレオン・クローヴィスはあの世行きだったかもしれない。



「そうです!そうですよぉ!あなた、ラララさんに変なことしてないでしょーねぇ!?」



これは惚気話の導入だな、とアムリタは顔を顰めた。とはいえ、逃げようにも逃げられないのだ。何故ならこれは隊長命令であるため。レオンくんが何やら思い悩んでるみたいだから、幼い頃から彼を知る君に任せても良いかな?との事。他の者からの命であれば巫山戯るなと蹴っていたところだが、あの隊長には一切悪気がない上に、アムリタとしても親愛なる隊長の命令は極力聞いてあげたいのだ。故に、逆らうことが出来ずにこの始末であることは、笑われても仕方の無いことだと思う。



レオンはこうして酒が入るとアムリタに絡んでは、恋人の異界の商人の話をしてくる。アムリタとしては友人の惚気話など心底どうでも良いのだが、とはいえ商人の彼に興味が無いわけではなかった。


──────否、興味というよりかは警戒。


とはいえ、商人の彼本人への警戒という話では無く、異界から人が来たということは、何処かしらでルートが開発されている…ということだ。


つまり、新たに彼以外の異界の人物がエデン大陸へ足を踏み入れる可能性があるという話だ。


そして、それが大陸の人間を超越するような存在であった場合──────いや、余計なことは考えるのはやめよう。それこそ、異界から神がやってきて此方の大いなる天クソ野郎とぶつかるようなことが起きれば、アムリタとて悪人駆逐兵器として本気で神々にかからねばならないのだから。



「私のラララさんがぁ、あなたのことを怖がってたんです!私のラララさんを怖がらせないでください〜?私のラララさんを!」


「黙れ」



再び銀髪は机へめり込んだ。


怖がらせるようなことをした覚えは無いが、まぁよく良く考えれば自分のことを殺そうと襲いかかってきた相手を恐れないわけが無いか、と結論着いた。



(そういえば、あの男は"悪い奴じゃない"という評価に不満かあったようだが──────)



悪い奴か否か…という判断方法であそこまで怒られたことは今までのアムリタの記憶には無かった為、少々驚いたのは事実だ。何せ仕方ないのだ。個人間に詳細な事情があるとはいえ、それらを考慮した上で被告側に有利な判決を下すなど、裁判所であっても珍しい事例である。アムリタは刑事には詳しくは無いが、世界を滅ぼした人間を悪と言わずに何と言うかもわからないのだ。



とはいえ、結局のところレオンや彼とわかり合う必要は無いだろうというのがアムリタの結論であった。恐らく、彼らは彼ら自身で幸せを掴み、平和の道を歩むことが出来る。レオンの"守るものも無い、戦う意味の無い貴方なんかに負ける訳にはいかない"という言葉も、商人の彼の"たった一人を、ましてや仲間を救う覚悟もない奴が救助隊や神を名乗るナよ、偽善者共ガ"だなんて言葉も、正しいのかもしれない。



けれども、結局のところアムリタという人間は、どんなに足掻こうと兵器にしかなれないのだ。


"平和のための戦い"が矛盾してると言われようとも、母の道標を信じて戦ってきた彼は、戦うことでしか正義を証明出来ないのだ。



(正義とは何か…正しさとは何か…それを俺だけで判断することは不可能だ。そして─────)



救助隊。彼らの心を照らし暖める炎のような優しさは─────死体であり兵器である、無機物にとってはあまりにも恐ろしいのだ。



彼らの"平和の炎"が世界に広まってしまえば、アムリタはエデン大陸には居られなくなる。何故なら、炎というのは兵器にとっては動力であり爆発へと誘導する存在であり、死体にとっては燃される天敵であるため。



平和な世界に、兵器も死体もあってはならない。




「………クローヴィス」


「んあ?なんれすかぁ?」


「……もしこの大陸に平和が訪れる時が来たら、俺は別の世界に旅に出ることにした。まぁ、相当先の話だろうが」


「………たびぃ?なんれれすか、ここじゃダメなんですか?」


「……………俺は平和の元にいるべきじゃない。俺は戦うことしか出来ないし知らない。平和になった世界で何をすれば良いのかも。故に、俺は"正義"を求めながら、平和を求める世界で戦う」


「…すてるんですか」



アムリタは立ち上がった。



「捨てるわけじゃない。お前に託しただろう」


「私だって言いましたぁ!幸せになれと!戦うんですか?うそつきですか?ばーかばーか!」


「俺は平和の下で幸せにはなれないんだよ。わかって欲しいとは言わない。お前と俺は、戦う理由も目指す先も違うのだから」



そう言って、立ち去る背中をレオンは見ていた。



「………この世界は、貴方を幸せには出来ないのでしょうね」




エデンの園から知識を得た罪で追放された人々が、知識罪を重ねて生み出したのが兵器。そしてその兵器罪の重なりが生み出すのが──────死体罪の塊なのだから。






Fin.


 







アムリタの善悪の判断基準や、彼がどういう人間であるかに焦点を当てて書こうと思ったのに思ったよりもレオンやラララくん(よその子)にも飛んでいったお話でした。


うちよそ(レオララ)要素が入ってますが、つまりこの二人が一度世界を滅ぼして復活させた…ってことを理解していただければ大体流れは掴めるかなぁと。異界の商人の彼(レオンの恋人)はよその子のラララくんです。





♢アムリタからそれぞれのキャラへの印象



アムリタ→レオン


ラララくんと出会う前は"悪人を裁く"、"世界の平和の為"という理由で戦っていたため同志的な存在ではあった。しかしレオンに大切な存在(ラララくん)が出来たことで戦う理由に違いが生まれ、道が隔たれることに。アムリタ的には今では戦う理由も平和の先に望む未来も異なるために、わかり合えない存在と感じているが、友人として幸せになって欲しい気持ちが無いわけでもない。とはいえ、彼自身は友人や仲間という理由で個人を優遇するのは基本的に好きではない(正しい行いだと思わない)ため、今回見逃したのは彼の中でも結構な譲歩である。




アムリタ→ラララくん


最初は異界からの侵略者でレオンと共に世界を滅ぼした人、解決後のイメージはレオンを救った(自分には不可能だったことを成し遂げた)人。とはいえこちらとも基本的にわかり合えると思っておらず、レオンとハッピーに暮らして多少永遠の世界平和に貢献して貰えればいいやという感じである。アムリタ自身、自分の行動は正しいどころか誤りであることもわかっているため、実はラララくんの思考に全面的に賛成な立場ではある。




♢アムリタの戦う理由とは


・戦→平和→戦のループの根源となっている存在を駆逐するため。


・あえて自分の管理下で戦を起こすことで、人々に戦の恐ろしさを思い出させ最小限の被害で戦→平和に事を運ばせるため。


・そもそも彼自身戦うことしか知らず、解決方法や正義を証明する方法が全て戦闘であるため。




♢アムリタの正義とは


・世間一般的の善悪は理解しており、自身の行動がそれと離れていることもわかっている。が、それはともかく正しい=世界平和に繋がると限らないことも知っているため、正しくなくても必要悪な行動はすべきだという思考。


・基本的に彼の述べる正義は母親やフレイム等


信頼した年上相手の思考に寄ることが多い。自分自身の考える正義…は今のところはっきり見付かっておらず、それを探しにエデン大陸とは別の世界へ旅に出たいと思っている。




♢兵器、死体の表現について


アムリタのことを兵器や死体と表現することが多いのは物理的な理由(兵器のようなぶっ飛んだ戦闘能力、死体のような変温動物的な体温)もあるが、平和との対比の意味もあったりする。兵器や死体=戦の象徴であり、逆に兵器や死体のある世界は平和な世界とは言えない。つまり、アムリタの本来の居場所は戦の下であり、平和な世界ではむしろ平和を乱す存在になるため平和な世界にいることが出来ないことの表れ。


また、彼自身が兵器として多くの命を奪った存在でありながら、彼自身もまた様々な悪によって命を奪われている死体である…とも言える。

 


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