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本編FIRST/レオララ⑥レオンサイド編

更新日:3 時間前


レオン

「はい、はい──────…承知いたしました。隊員の皆様は既にお部屋に上がられています。お部屋番号は────」


白い大理石の床にエンタシスの柱が並び、中央には立派な噴水が、シャンデリアの光を通して宝石のように輝く水滴を煌めかしていた。


先に向かっていた他の4人は既にチェックインを終えたようで、遅れて着いたレオンはカウンターの女性に要件を伝える。

ルームキーを受け取り噴水に釘付けになっていた同行者をズルズルと引っ張ると、エレベーターへ乗り込もうとしたその時──────



カイン

「──────あ!クローヴィス先輩!」



不意に、聞き覚えのある声が反対側のエレベーターの方面からレオンの耳へと入る。


レオン

「……カイン?貴方、こんなところで何を?」


レオンは首を傾げる。ユニオンも出動していたのか?彼処で遭遇することは無かったが。


カイン

「はい!先程の騒動でこの方が困っておられるようでしたので、ゆっくり休めるホテルに案内していたところです!」


レオン

「この方………」


レオンはふと、後輩の横に立つ女性に目を向けた。あまり見慣れない外見をしているが、何かのイベントの帰りだろうか?普段慣れない服装だから、どこか気まずそうな表情を浮かべているのだろうか?


レオン

「そうですか。それは結構。頑張っているようで、私も嬉しいですよ」


カイン

「そうでしょうそうでしょう!私だって良い警察ユニオンになるために日々頑張っているんです!例えば──────」


先輩のお褒めの言葉に、カインは顔を輝かせると最近行った警察っぽいこと20選を意気揚々と話し始めた。


レオン

「はぁ…また始まった……ん、なんですか?というか女性と後輩の前なんですよ。しゃんとしてください」


ウェン

「彼女、少し前のお前と同じ匂いがする」


レオン

「……………はぁ!?」


レオンの素っ頓狂な声が、ホテルのロビーに響き渡った。先程まで賑やかだった空間が、時間が止まったかのようにしんと静まりかえる。


ウェン

「うるさいぞ」


レオン

「な…!…うっ、うるさいのは貴方なんですよこのボンクラ!適当なことほざかないでいただけます!?その方にも失礼でしょう!」


カイン

「えっ、先輩もしかして彼女と…そ、その……お、おおおお付き合いを…!?」


レオン

「違います!」


レオンは女性────本来は青年だが…にヘルプを求める。


レオン

「あ、貴方からも何か言ってください!私とは初対面ですよね!?」


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