ロキ啓
- 5月12日
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それはほんの日頃の仕返しのつもりだった。
彼はいつもやや早口でペラペラと喋りながら契約相手の啓音を茶化してくる天使らしくない天使だ。
そんな口達者な彼ことロキの驚く顔をどうしても拝めたくなったのか、啓音はやや強引に引っ張りロキへ口付けを交わした。
いつも振り回されているのはどちらかといえば啓音なのでたまには不意をつくのも悪くないと考えたのだろう。
それに一応好意もある。天使に恋などとどこぞの少女漫画のような事を抜かせば彼は腹を抱えて笑い転げるのだろうが。というかキスやそれ以上の事は流れゆきで既にしてしまってる仲だし。
人外である彼にとって人間の行動に興味を示すのも分からなくはない話だ。
こういうムードを大事にする人間の事もお勉強だと言い聞かせ大半はしてやったのつもりで起こした行動。
その勝手な行動に勝手に満足した啓音はゆっくりと唇を離し距離を取ろうとしたその時。
「─────っん!?」
ガッ、と後頭部を引き寄せられ再びロキと至近距離になりそのまま食われるようにしてキスを落とされる。
油断し僅かに開いた啓音の口の隙間から舌をねじ込まれぬるりと舌同士絡める。
「ん、………っ、んんっ……!」
気の動転ですっかりタイミングを逃し余計に呼吸が苦しくなりドンと拳で肩や胸元を叩くがびくともせず。もう片手で腰に手を回しゆるゆるとラインをなぞられ体が跳ねる。
ふわりとした箱庭の緑の香りがする。背後から翼で逃さないと言わんばかりに覆われている事が後から分かった。
「んぅ、……っ、ん"〜〜!♡」
ゾワゾワとする感覚に力が抜け手が震え、抵抗していた腕がだらりと下ろされるとようやく解放されその場で力無く尻もちをつく。
「…あは!今どんな気持ち〜?」
「………っ!性格わりー…!」
「そういう君は突然寝込み襲うタイプの獣かな?こわーい!」
ケラケラいつものように笑う彼を見上げながら悔しげに睨み上げる啓音。拭えなかった涎を乱暴にゴシゴシと袖口で拭きながらも熱を帯びた呼吸と頬を整えようと必死になる。
「林檎並に顔真っ赤じゃん。僕林檎嫌いなんだよね!」
「るせー!」